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どうちがう?中国語 類義語弁別

使い分けや意味の違いがうまく説明できない中国語の類義語を、中国語教育の専門家 たちが例文を駆使しながら明解に解説する、相原茂先生監修のコラムです!

第4回

01

“温和”wēnhé,“温暖”wēnnuǎn, “暖和”nuǎnhuo (趙 怡)

【相原茂先生:監修】

形容詞として気温を指すとき、ともに寒くも暑くもなく、ちょうど快い暖かさだという意味だが、“温和”は気候、風、日差しなどの性質を表し、“暖和”はもっぱらそれより得られた体感温度に重点を置く。

1)昆明四季如春,冬天气候也很温和。(×暖和)
Kūnmíng sìjì rú chūn, dōngtiān qìhòu yě hěn wēnhé.
(昆明は一年中春のようで、冬でも暖かい。)

2)今天天气很暖和。(×温和)
jīntiān tiānqì hěn nuǎnhuo.
(今日の天気は暖かい。)
“温和”は気候の性質、“暖和”はその日において体が感じる気温を表すため,それぞれ成立が分かれる。次の二例も同様である。
3)太阳照在身上很暖和。(×温和)
Tàiyáng zhàozài shēnshàng hěn nuǎnhuo.
(体が日差しを浴びて、とても暖かい。)

4)这里没有什么煤烟,天空干干净净;在温和的日光中,一切都像透明的。
(朱自清《旅欧杂记•威尼斯》(×暖和)
Zhèlǐ méiyou shénme méiyān, tiānkong gāngangjìngjing; zài wēnhé de rìguāng zhōng, yíqiè dōu xiàng tòumíng de.
(ここは煤煙があまりなく、空がとてもきれいだ。暖かい日差しの中で、すべては透明のようだ。)
“温暖”もおおむね気候や日差しの性質を表すが、“温和”が「おだやか」で「寒くない」のに対し、“温暖”は「暑くない」「暖かさ」だという意味を表す。上の例1)と例4)の“温和”はともに“温暖”に置き換え可能だが、温度のほうはやや高くなる。
なお、気候や日差しのほか、“温和”と“温暖”は共に心情的な温かさも表すが、“暖和”は体が感じる暖かさに限られる。従って、室温や衣服などの暖かさを表す場合は“暖和”を用いる。
5)新买的这件大衣可真暖和。(×温暖 ×温和)
Xīn mǎi de zhèjiàn dàyī kě zhēn nuǎnhuo.
(新たに買ったこのコートは本当に暖かい。)
一方、心情的な温かさを表す場合、“温和”は性格、態度、言葉、眼差し、笑み、または物事のすすめ方などの「穏やかさ」を意味し、“温暖”は友情や思いやり、集団の雰囲気などの「温かみ」を指すという違いがある。
6)母亲是一个性情非常温和的人。(×温暖 ×暖和)
Mǔqīn shì yíge xìngqíng fēicháng wēnhé de rén.
(母は性格が非常に温和な人です。)

7)老师温和地看着我说:“这次没考好,下次加油吧。”(×温暖 ×暖和)
Lǎoshī wēnhé de kànzhe wǒ shuō: “Zhècì méi kǎohǎo, xiàcì jiāyóu ba.”
(先生は優しく僕を見つめながら言った。「今度の試験が駄目でも、次回頑張りましょう。」)

8)母亲的一席话令我感到很温暖。(×温和 ×暖和)
Mǔqīn de yìxí huà lìng wǒ gǎndào hěn wēnnuǎn.
(母の言葉を聴いて暖かい気持になった。)

9)在这个温暖的大集体里,他不再感到孤独。(×温和 ×暖和)
Zài zhège wēnnuǎn de dà jítǐ lǐ, tā búzài gǎndào gūdú.
(この温かい団体の中に身を置いて、彼は寂しくなくなった。)
動詞として使えるのは“暖和”と“温暖”である(“温和”は不可)。前者は体を暖め、後者は心を温める。また“暖和”は後に目的語をとれないが(目的語をとるときは“暖暖”という)、“温暖”は目的語をとらなければならないという違いがある。
10) 外面太冷了,快进屋暖和暖和吧。(×暖和暖和身体 ○“暖暖身体”)
Wàimiàn tài lěng le,kuài jìn wū nuǎnhuo nuǎnhuo ba.
(外寒いので、早く部屋に入って体を温めよう。)

11) 这个动人的故事温暖了许多人的心。
Zhège dòngrén de gùshì wēnnuǎn le xǔduō rén de xīn.
(この物語は大変感動的で、実に心温まるものだ。)
ちなみに中国語では“温”プラス別の一文字で成立つ語彙が非常に多い:“温柔”wēnruó、“温顺”wēnshùn、“温馨”wēnxīn、“温婉”wēnwǎn、“温雅”wēnyǎなど、すべて性格に関わる表現である。中国の総理、温家宝Wēn Jiābǎoの苗字とその温かい人柄に由来して、彼の日本訪問の旅を“融冰之旅”róng bīng zhī lǚ(氷を溶かす旅)と喩えたのも有名な話である。こうして“温”に関わる言葉は本来だいたい心か体に快い暖かさを与える表現であるが、最近の新語、“地球温暖化”dìqiú wēnnuǎn huà(これは日本語からの輸入語)はいかがでしょう。これがもたらす年々増してくるこの暑さは、すでに“温暖”の域を遥かに超えていると思われるのだが……。

(執筆:趙 怡)

相原先生

相原先生プロフィール

東京教育大学修士課程修了。1980~82年、北京にて研修。中国語学、中国語教育専攻。明治大学助教授、お茶の水女子大学教授等を経て、現在中国語教育の第一人者として著述やマスメディアで活躍中。NHKのラジオ、テレビでも長年、中国語講座を担当。TECC中国語コミュニケーション協会代表。

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